Learn from Experience & Letter
経験者から学ぶ&交換留学派遣生からの便り

伊藤 美優

韓国

「コロナだから、、、」は関係ない!

伊藤 美優さん

経法学部 総合法律学科
留学期間:2020年3月~2021年1月
留学先:韓国カトリック大学

留学先大学について

私が留学先として選んだ韓国カトリック大学校は、ソウルのすぐ隣、京畿道富川市というところにあります。キャンパスのすぐ後ろにはウォンミ山という山があり(私もよく登っていました。夕焼けと夜景がきれいです。)、程よくソウルも近く、程よく自然もあるような感じです。韓国でも治安が悪いと言われる(後から知りました)富川市ですが、富川の繁華街や中心街からは離れており、周りも住宅街で落ち着いています。最寄り駅からは徒歩15分、バス5分ほどで着きます。バス停も近くに複数存在し、電車では乗り換えが面倒なところへも、様々な方面へアクセスできます。学校の近くにはコンビニ、スーパー、ホームセンター、コインランドリーも複数あり、活気あふれる市場もすぐ近くにあります。また、大学の学食や、美味しくて安いご飯屋さん、カフェ、カラオケやボーリング場なども多くあるので生活するのにも遊ぶのにも困りません。

学習面について

授業は1コマ50分で10分休み、3コマ連続の時もあれば1コマだけの時もあります。お昼休みなどは特にないので、授業の組み方を上手く考えないと昼食を食べるタイミングを逃しかねません。今年はコロナの影響でほぼ全ての授業がオンラインで進行されました。教授が録画したものを配信する形式と、zoomを使って双方向で行う形式で進行された点は信大と大きな違いはないと思います。コロナが少し落ち着いた時期には実際に教室に通うこともありましたが、それも1ヶ月くらいで終わってしまいました。

科目については、カトリック大では学部が多い分学べることも多く、交換留学生は学部を超え自分の専攻以外でも基本的には授業を選択できます(薬学、音楽以外)。韓国は授業申請が先着順でとても厳しいと聞いていましたが、私は受講したかった科目は全て取れたし、問題はありませんでした。英語開講授業もあり、英語を学ぶ科目もあれば英語で学ぶ授業も多くあります。週5日、午前中に開講される「語学堂」と呼ばれる語学学校(クラス)では、自分に合ったレベルのクラスでほかの留学生とともに韓国語を学ぶこともできます。信州大学からの交換留学生は、大学間協定に基づき語学堂の授業を学期中は無料で受講することができるのも大きな魅力であり、私がカトリック大を選んだ理由のひとつでもあります。語学堂は強制ではないですし、最初から学部の授業だけ選択しても良いと思いますが、教科書を使って正しい韓国語を学べるのはもちろん、韓国語を話すことへの抵抗感をなくすことができ、留学生の友達も多くできるので一度は通ってみてもいいと思います!

その他の学習については、寮にセミナー室があったり、学校の図書館は24時間開館していたり、勉強できるラウンジがあったり(そこには昼寝できるスペースもあります)、自主学習するスペースが学内に沢山あります。特に私は寮が4人部屋だったため、遅くまでライトをつけられなかったり、ルームメイトがオンラインで授業を受けていたりした時によく利用していました。

生活について

【寮生活について】私は学校の敷地内にある寮に住んでいました。2,3,4人部屋があり、それぞれ料金は少し変わってきますが、学期の初めに学期分を一括支払いするだけで、寮費、光熱費全て込みで本当に楽ですし、その金額もリーズナブルです。ほとんどの留学生はこの寮で暮らしています。今は韓国人の学生も一緒の寮に住んでいますが、現在の寮の隣に留学生専用の寮ができるそうで、詳細はよく知りませんが新規建設中でした。部屋にはトイレ、シャワールーム、ベッド、デスク、冷蔵庫、エアコンなどがあります。布団は日本から持ち込んだり買うこともできますが、安くレンタルもできるのでそれをおすすめします。部屋にも寮にもキッチンがなく(ただし予約制のオープンキッチンは少し離れたところにあり)、電気ポットなどの電化製品も持ち込み禁止なので調理はできないのですが、共用スペースに電子レンジやウォーターサーバーがあります。共用スペースには洗濯機、乾燥機、自動販売機もあります。門限は普段は1時ですが、試験期間中は2時までです。

【韓国での生活全般について】まずは携帯電話について。ソウルのシンチョンというところに日本語で対応してくださる携帯電話会社があり、データ無制限プランも安かったので私はそこで中古のスマートフォンを購入し、契約しました(SIMロックの解除が日本で出来なかったため)。Wi-Fiのみで乗り切る方法もあるかもしれませんが、日本よりもはるかにIT化、キャッシュレス化が進んでいるので、自分の携帯番号がなければ日常の様々な場面で支障をきたし、不便だなと感じると思います。次にお金について。先述のとおりキャッシュレス化、カード社会の韓国では日常の買い物から日本に荷物を発送する代金までもカードで支払え、基本的には日本のカードも使えるところが多いです。しかしネットショッピングをする時、ご飯を食べて割り勘をし友達に送金するときなど、韓国のカードだけしか使えない時が意外と多くあります。大学構内に銀行の支店が有り、日本で言うところのデビットカードも簡単に作れるので、口座を開設してそれを一枚持っておくと便利だと思います。あとは、海外送金してもらうよりも、日本の口座に送金してもらったものを韓国のATMで引き出す方が早いし安いです。

【コロナ禍での生活について】常に行政の方針やルールが変わるので、情報収集は自分から積極的に行うべきです。マスクをしていないと罰金4人以上集まったら罰金・・・など、日本とはかなり違う防疫方針を取っているため、知らずに外を出歩いているとアウトということになりかねません・・・。

留学で得たこと

まずは当たり前ですが韓国語力が伸びました。前期は語学堂と学部の両方の授業を受け、後期は学部の授業だけを受けていましたが、前期に初めて学部の授業の動画を見たとき、何を言っているのかほとんど分からず、この先の授業がかなり不安だったのですが、後期の終わりには刑法や世界情勢の講義を理解し、グループワークや個人課題をこなし、発表し、さらに質疑応答もできるようにもなりました。また、韓国語を勉強し始めた時から目標としていた韓国語能力試験(TOPIK)の最高級6級も現地で取得することができ、さらに点数を伸ばしたい、もっと満点に近づきたいというモチベーションの向上にもつながりました。
そしてもちろん韓国語の能力を伸ばしに、韓国語で授業を受けに留学をしたのですが、それ以外にも学ぶことが多くありました。異文化理解、多文化共生というワードを聞いたこともあるし、これまでの人生で理解もしてきたつもりでした。しかし、国民の習慣だとか、旅行用ガイドブックやテレビでも紹介されないような現地の人の文化、教科書に載らない言葉を通じて、生で接して初めて異文化というものを理解できました。時には政治的、歴史的な背景故に親しい仲でも互いに意見が食い違い、言い争いに発展することもありましたが、そのような経験からも多くのことを学びました。意見の食い違いも、文化の違いも、同じ箸を使う国なのに、食事のマナーが全然違うことも、全てが面白くて旅行では絶対に体験することのできない貴重な経験になりました。そしてこのコロナ禍で苦労することもありましたが、人に頼っていいんだということを知り、辛かったことは確かにあったけども、いつもそばにいて助けてくれる人がいて、助けを求めてもいい人がいるということも学びました。夏休みにバックパック一つでひとり旅をしながら、たくさんの人と出会う中で得たことも本当に多いです。「全部オンラインで、留学している意味あるの?」と何回も聞かれましたが、異なるバックグラウンドをもつ多くの人々と出会えて、「近くて遠い国」を何度も自ら体感できたこの留学は、本当に私の人生の宝物となりました。

後輩へのアドバイス、大学へのメッセージ等

コロナであれもできないこれもできない・・・という気持ちはわかります。十分に分かります。実際できなくなったことのほうが多いですしもちろん安全が一番大事ですが、でもなんでもコロナのせいにして後回しにしたり諦めたりしていることはないですか?コロナで世界が大きく変わってしまい、どうなるかわからないからこそ今少しでも可能性があるなら挑戦してみるべきだと思います。こんなに長く留学ができるのもきっとこの先ないだろうし、学生という身分は奨学金を頂きやすい環境でもあると思います。奨学金は、私も信大の「知の森基金」という奨学金制度を活用し、渡航費や準備費用に充てさせていただきました。コロナの影響で予期せぬ出費が幾度とありましたが、大変助かりました。ありがとうございました。
コロナのせいで・・・と実際私もつい言ってしまいますが、コロナでも留学生を受け入れている国や地域もあります。できないではなくやろうとしていないだけだと奮い立たせ、私もいろいろ韓国で挑戦してきました。自分が思っている以上に意外と人生ってなんとかなるんです。留学だけに限らずまずは挑戦してみてはいかがですか??
 
  
※注)2021年2月現在、信州大学では外務省の感染症危険情報レベル2以上(韓国含む)への渡航を制限しています。